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伝説のスピーチ 環境サミット@リオ

2007年07月26日

スピーチの内容は読んで知っていましたが、映像で見たときには涙が流れ
改めて考えさせられました・・・

(セヴァン・カリス=スズキ)

〈プロフィール〉
1979年生まれ。カナダ在住、日系4世。幼いときに両親と訪れたアマゾンへの旅がきっかけで、9歳のときにECO(Environmental Children Organization)という環境学習グループを立ち上げる。1992年、ブラジルのリオ・デ・ジャネイロで「自分たちの将来が決められる会議」が開かれることを聞き、「子どもこそがその会議に参加すべき!」と自分たちで費用を貯め、「地球環境サミット」へ赴く。NGOブースでのねばり強いアピール活動が実を結び、サミット最終日、セヴァンは「子ども代表」としてスピーチするチャンスを得た。12歳にして大人を圧倒させた感動的なスピーチは、「リオの伝説のスピーチ」として、世界中で紹介されることとなる。


92年6月。ブラジル、リオ・デ・ジャネイロ。
環境と開発に関する国連会議(環境サミット)に集まった世界の指導者たちを前に、
12歳の少女、セヴァン・スズキは語り始めました。



スピーチ全文

こんにちは、セヴァン・スズキです。
エコを代表してお話しします。エコというのは、子供環境運動(ECO:
Environmental Children's Organization)の略です。カナダの12歳から13歳
の子どもたちの集まりで、自然環境を守るための活動をしています。
あなたがた大人たちに、どうか生き方をかえて頂くよう、お願いするために、
自分たちでお金を集めて、カナダからブラジルまで1万キロの旅をして来ました。

 今日、私たちが話すことは、すべて嘘のない本心の言葉です。
なぜって、私たちが環境運動をしているのは、私たち自身の未来のため。
私たち子どもが、自分の未来を失うことは、あなたがた大人が選挙で負けたり、
株で損したりするのとは次元の違う問題なのです。

 私たちがこれから話すことは、未来に生きる子どもたちのためです。
世界中の飢えに苦しむ子どもたちのためです。そして、もう行くところもなく、
死に絶えようとしている無数の動物たちのためです。

世界中の飢えに苦しむ子どもたちの泣き叫ぶ声は、あなたがた大人の耳には
届きません。どこにも行くところがなく、次々と絶滅して行く数え切れない
ほどの生き物たちのことも同じです。
だから、世界中の子どもたちや生き物たちに代わって、私たちが話すのです。

太陽のもとにでるのが、私はこわい。それは、オゾン層に穴があいているから。

呼吸をすることさえこわい。空気にどんな危険な化学物質が混じっているか
分からないから。

お父さんと一緒に、よくバンクーバーで魚釣りに行っていました。
数年前に、体中ガンでおかされた魚に出会うまでは。

そして今、毎日のように動物や植物たちが絶滅していくのを、私たちは耳に
します。


一度絶滅してしまった生き物は、もう永遠にもどってはこないのです。

 私には小さいころからの夢がありました。
それは、いつか野生の動物たちの群れや、たくさんの鳥や蝶が舞うジャングル
や熱帯雨林を見ることでした。
でも、私は見ることが出来ても、私の子どもたちは、見ることができるので
しょうか?
あなたがた大人は、私ぐらいの年令の時に、今の私と同じように、
未来の自分の子どもの心配したことがありますか?

 こんな大変なことが、ものすごいいきおいで起こっているのに、私たち
人間ときたら、まるでまだまだ余裕があるようにのんびりと構えています。
まだ子どもの私には、この危機を救うのに何をしたらいいのかはっきり
わかりません。
そして、あなたがた大人も、本当の解決法など持っていないと思います。
だから、せめて、「本当の解決法など持っていない」ということだけは、
自覚して欲しいのです。

あなたがた大人は、オゾン層にあいた穴をどうやってふさぐのか知らないでしょう。
死んだ川にどうやってサケを呼びもどすのか知らないでしょう。
絶滅した動物をどうやって生きかえらせるのか知らないでしょう。
そして、今や砂漠となってしまった場所にどうやって緑の森をよみがえら
せるのか知らないでしょう。

 だから、大人のみなさん、どうやって直すのかわからないものを、
壊し続けるのはもうやめてください。

 ここに集まっている大人のみなさんは、いろいろな国の政府の代表者や、
企業や団体の代表者、そして、報道関係者の人たちです。
でもほんとうは、あなたがたもだれかの母親であり、父親であり、姉妹であり、
兄弟であり、おばさんです。
そしてあなたがたの誰もが、誰かの子どもなんです。

 私はまだ子どもですが、ここにいる私たちみんなが同じ大きな家族の一員
であることを知っています。
そうです50億以上の人間からなる大家族であり、3千万種類以上の生物から
なる大家族です。
いろいろな国の政府や国境が、どんなに分け隔てをしようとも、私たち地球
で生きるものたちが1つの大家族だということは、変えようがありません。

 私は子どもですが、みんながこの大家族の一員であり、ひとつの目標に
向けて心をひとつにして行動しなければならないことを知っています。
わたしは、今のひどい環境を見て、怒りで心が震えていますが、それでも、
自分を見失ってはいません。
わたしは、今のひどい環境を見て、恐怖で体が震えていますが、それでも、
自分の気持ちを世界の人たちに伝える勇気を持ち続けています。

 私の国での無駄使いは大変なものです。買っては捨て、また買っては捨てて
います。
そして、そんなにたくさんの物を無駄にしている北の国は、物が不足して
いる南の国と分かち合おうとはしません。物がありあまっているのに、
私たちは自分の富を、少しでも手放すのがこわいのです。
カナダで暮らす私たちは十分な食物と水と住まいを持つ恵まれた生活をして
います。食べ物も、水も、お家も、何でも十分にあります。
時計、自転車、コンピューター、テレビ、私たちの持っているものを
数えあげたらきりがありません。


 2日前ここブラジルで、家のないストリートチルドレンと出会い、私たちは
ショックを受けました。一人の子どもが私たちにこう言ったからです。

 「ぼくが金持ちだったらなぁ。もしそうなら、家のない子すべてに、
  食べ物と、着る物と、薬と、住む場所をあげるのに。
  それから、やさしさと愛情もね。」

 住むところもなく、今日、食べる物もない一人の子どもさえ、自分のこと
だけでなく、みんなと分かちあうことを考えているのに、全てを持っている
私たちがこんなに欲が深いのは、どうしてなんでしょうか?

 この子ども達は、私と同じぐらいの年齢でした。私は、自分と同じくらい
の年齢の子ども達が、こんな生活をしていたことが、とてもショックで
頭から離れません。同じ人間なのに、同じ大家族の一員なのに、
どこに生れついたかによって、こんなにも人生が違ってしまう。
もしかしたら、私がここブラジルのリオの貧民窟に住む子どもの一人だった
かもしれないのです。
そして、飢えに苦しむソマリアの子どもだったかもしれないし、大人たちの
戦争の犠牲になった中東の子どもだったかもしれないし、
インドで乞食をしている子どもだったかもしれないのです。

 もし世界中の国の大人たちが戦争のために使っているお金を全部平和の
ために使えば、環境や飢餓の問題のために使えば、この地球がすばらしい星
になるでしょう。
私はまだ子どもですが、それでもこのことを知っています。

 小学校で、いや、幼稚園でさえ、あなたがた大人は私たちに、世の中で
どうふるまうかを教えてくれます。

たとえば、
 
*争いをしないこと

*話しあいで解決すること

*他人を尊重すること

*ちらかしたら自分で片付けること

*ほかの生き物をむやみに傷つけないこと

*分かちあうこと

*そして欲ばらないこと

 ならばなぜ、あなたがた大人は、私たち子どもに「するな」ということを、
自分達はしているのですか?

 みなさんは、今日、何のためにこの会議に出席しているのか、どうか、
そのことだけは忘れないでください。
そしてこのような会議をいったい誰のためにやっているのか。
それはあなたがたの子ども、つまり私たちのためなのです。
あなたがたはこうした会議で、私たちがどんな世界に育ち生きていくのかを
決めようとしているのです。

 親たちはよく「だいじょうぶ。すべてうまくいくよ」といって子ども達を
なぐさめます。あるいは、「できるだけのことはしてるから」とか、
「この世の終わりじゃあるまいし」と言いますよね。
だけど、今の地球の環境を見たら、もうこんな言葉を自分の子どもに向かって
言えないと思います。わたしたち子どもの未来のことなんて、みなさんの
議題の中にすら入っていないじゃないですか。
みなさんは、私たち子どもの未来のことを本当に考えてくれているのですか?

 私のお父さんは、いつも、「人間の価値は、何を言ったかではなく、何を
したかで決まる」と言っています。でも、私は、あなたがた大人がこの地球
に対していることを見て、泣いています。
それでも、あなたがた大人はいつも私たち子どもを愛していると言います。
本当なのでしょうか?もしそのことばが本当なら、どうか、本当だと
いうことを言葉でなく、行動で示してください。

 最後まで私たちの話をきいて下さって、ありがとうございました。
(以上全文)
  


Posted by どまぐろ at 18:53Comments(0)